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「無添加」表示とマルトオリゴ糖 水飴・澱粉糖での用途から考える添加物の読み方

編集メモ: 「無添加」という表示を見て安心してよいのか、迷った経験はないでしょうか。添加物図鑑に収録されたマルトオリゴ糖・各種アミラーゼなど6件の実データを比較し、水飴・澱粉糖まわりの表示をどう読むべきかを検証しました。

食品パッケージの「無添加」の文字は、何が加わっていないのかによって意味が大きく変わります。本記事では、水飴・澱粉糖の製造でよく使われるマルトオリゴ糖と関連する酵素製剤を題材に、添加物図鑑の実データを手がかりに「無添加」表示をどう読み解けばよいかを整理します。原材料表示の一行の裏にある製造工程まで踏み込んで確認することで、表示の意味をより正確に受け取れるようになります。

「無添加」表示とは何か──食品表示基準における位置づけ

「無添加」という表示は、食品表示法における個別の定義用語ではなく、事業者が任意に選んで使う強調表示の一種です。消費者庁は2022年に「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」を策定し、「無添加」とだけ書いて具体的に何を使っていないかを示さない表示や、健康・安全上の優良性を暗示する表示について注意喚起を行っています。つまり「無添加」の一語だけでは、読者はその食品に何が使われていないのかを正確に知ることができません。

  • 「無添加」は法律上の統一定義がなく、事業者ごとに基準が異なりうる表示である
  • 消費者庁のガイドラインは「何が無添加か」を具体的に明示することを求めている
  • 「無添加=安全性が高い」という短絡的な連想を避けるよう注意喚起がなされている

この背景を踏まえると、「無添加」の文字だけを見て安心・不安を判断するのではなく、原材料表示欄全体を確認する姿勢が重要になります。とくに水飴や澱粉糖のように、製造工程で酵素や糖類が使われる食品では、「甘味料無添加」と「酵素無添加」がまったく別の意味を持つ点に注意が必要です。詳しいガイドラインの内容は消費者庁の食品表示に関する政策ページで確認できます。

マルトオリゴ糖とは何か──水飴・澱粉糖における役割

マルトオリゴ糖は、でんぷんを酵素分解する過程で生じるオリゴ糖の一種で、水飴や澱粉糖、菓子類の製造に幅広く使われている糖質です。でんぷんの長い鎖状構造を酵素で短く切り分けていく工程の途中に生じる中間生成物であり、最終製品の甘さやとろみ、保水性を調整する役割を担っています。単体の甘味料として意識されることは少ないものの、多くの加工食品の食感を裏側で支えている物質だといえます。

  • でんぷん由来の糖質で、水飴・澱粉糖・菓子類など幅広い食品に使われている
  • 甘味の強さだけでなく、保水性やとろみの調整といった食感面での役割も持つ
  • でんぷんを酵素分解する製造工程の中間段階で生成される糖の一種

マルトオリゴ糖のような糖質は、化学的に合成された着色料や保存料とは成り立ちが異なり、でんぷんという天然由来の原料を酵素で分解して得られる点が特徴です。そのため「無添加」表示を掲げる商品であっても、マルトオリゴ糖そのものは原材料として明記されるケースが多く、表示を読む際には「添加物かどうか」よりも「何から作られた成分か」を確認する視点が役立ちます。

独自データで見るマルトオリゴ糖・酵素製剤のリスクスコア

ここからは、HONMONOシリーズが運営する添加物図鑑に収録された実データを見ていきます。添加物図鑑には2,138件の添加物情報が収録されており、そのうち水飴・澱粉糖の製造に直接関わる6件を独自に抽出したものが以下の表です。

| 添加物名 | 用途分類 | 危険度 | リスクスコア(0〜30) | 主な使用食品 |

|---|---|---|---|---|

| マルトオリゴ糖 | 糖質・オリゴ糖 | 低 | 3 | 水飴・澱粉糖・菓子類 |

| α-アミラーゼ(バチルス属由来) | 酵素(アミラーゼ) | 低 | 3 | パン・麺類・ビール |

| α-アミラーゼ(アスペルギルス属由来) | 酵素製剤 | 低 | 2 | パン・清酒・味噌 |

| β-アミラーゼ | 酵素製剤 | 低 | 2 | 麦芽飲料・ビール・水飴 |

| イソアミラーゼ | 酵素製剤 | 低 | 2 | デンプン糖製品・水飴・異性化糖 |

| マルトース | 糖類 | 低 | 2 | 水飴・麦芽飲料・ビール |

この6件を並べて確認できる点にこそ、当サイトが独自に集計したデータの価値があります。まず目を引くのは、リスクスコアがいずれも2〜3という低い範囲に収まっていることです。水飴・澱粉糖の製造を支える糖質・酵素群は、危険度「低」に分類される物質で構成されている実態が数値として裏付けられています。次に、用途分類を見ると「糖質・オリゴ糖」「酵素製剤」「糖類」という異なる3つのカテゴリにまたがっており、水飴という一つの製品の裏側に複数の異なる性質の物質が関わっていることが分かります。さらに、主な使用食品の欄を比較すると、パン・麺類・ビール・味噌といった発酵食品にもアミラーゼ系酵素が横断的に使われていることが読み取れ、水飴・澱粉糖だけの話にとどまらない広がりを持つテーマであることが確認できます。添加物図鑑で2,138件の危険度ランクを調べることで、他の添加物との相対的な位置づけも合わせて確認できます。

酵素製剤という「加工助剤」の考え方──製造工程での役割

上の表に並んだα-アミラーゼ、β-アミラーゼ、イソアミラーゼは、いずれも「酵素製剤」という用途分類に属しています。これらは食品の最終的な味や見た目を直接目的として加えられるのではなく、でんぷんを分解して糖に変える製造工程を助けるために使われる物質です。食品衛生の分野では、こうした製造工程の途中で使われ、最終製品にはほとんど残らない、あるいは働きを失った状態で残る物質を「加工助剤」と呼ぶ考え方があります。

  • α-アミラーゼはでんぷんを大まかに分解する働きを持ち、パン・麺類・ビールの製造に使われる
  • β-アミラーゼはでんぷんを麦芽糖(マルトース)まで分解する働きを持ち、水飴や麦芽飲料に関わる
  • イソアミラーゼはでんぷんの枝分かれ構造を切り分ける働きを持ち、異性化糖などの製造に使われる

酵素は生き物由来のたんぱく質であり、いわゆる合成着色料や合成保存料とは性質が根本的に異なります。それにもかかわらず、法律上は食品添加物として扱われる区分に含まれるため、「無添加」表示を掲げる際にどこまでを「添加物」とみなすかで事業者ごとの解釈に差が出やすい領域です。製造工程を助けるための酵素が使われているかどうかは、原材料表示だけでは読み取りにくいことがあるため、気になる場合は製造者への問い合わせも一つの手段になります。

リスクスコアの読み方──低リスクとされる物質にも表示の議論がある理由

前の表で見た通り、マルトオリゴ糖や各種アミラーゼのリスクスコアはいずれも2〜3と低く、危険度も「低」に分類されています。それにもかかわらず、これらの物質が「無添加」表示をめぐる議論の対象になり得るのは、リスクスコアの高低と、消費者が抱く「天然か人工か」「発酵由来か化学合成か」といった価値観が必ずしも一致しないためです。リスクスコアはADI(一日摂取許容量)や使用基準、海外規制の状況といった客観的な指標から算出される安全性の目安であり、表示上の分かりやすさとは別の軸で評価されている点を理解しておく必要があります。

  • リスクスコアが低いことは、健康影響の観点からの懸念が小さいことを示す指標である
  • リスクスコアの低さは、その物質が「無添加」表示の対象になるかどうかとは別問題である
  • 消費者庁のガイドラインが問題視しているのは主に表示の分かりやすさと誤認防止である

この違いを整理せずに「リスクスコアが低いのだから無添加でなくても問題ない」あるいは「無添加と書いていないから危険だ」と短絡的に結び付けてしまうと、表示の本来の意味を見誤ります。低リスクの物質であっても、原材料の由来や製造工程を正確に開示することが、事業者と消費者の間の信頼関係を支える基盤になります。

消費者が「無添加」表示を読み解く際の視点

ここまでの内容を踏まえると、「無添加」表示に接したときに確認すべきポイントが見えてきます。第一に、「無添加」の直後にどの物質が無添加なのかが具体的に書かれているかを確認することです。第二に、原材料表示欄全体に目を通し、糖類や酵素製剤がどのように使われているかを合わせて見ることです。第三に、気になる添加物があれば、その物質単体の危険度やリスクスコアを個別に調べる習慣を持つことです。

  • 「無添加」の一語だけでなく、何が無添加なのかという具体的な文言を確認する
  • 原材料表示欄全体を見て、糖類・酵素製剤などの記載を見落とさないようにする
  • 気になる物質があれば個別にリスクスコアや用途分類を調べ、相対的な位置づけを把握する

こうした確認作業は手間がかかるように見えますが、原材料表示は数行程度であることがほとんどのため、慣れれば短時間で行えるようになります。表示の言葉に頼るだけでなく、実際に使われている物質そのものを確認する姿勢が、「無添加」表示を正しく読み解く近道になります。

添加物図鑑を使った自分での確認方法

最後に、実際に自分で添加物を調べる際の具体的な流れを紹介します。添加物図鑑では、物質名から用途分類・危険度・リスクスコア・主な使用食品を横断的に検索できるようになっており、今回取り上げたマルトオリゴ糖や各種アミラーゼ以外の物質についても同様の形式で確認できます。

  • 原材料表示に記載のある物質名で検索し、用途分類と危険度をまず確認する
  • リスクスコアが近い他の物質と比較し、相対的な位置づけを把握する
  • 同じ用途分類に属する物質を横断的に見て、製造工程全体のイメージをつかむ

パッケージの表示だけで判断が難しいと感じたときは、添加物図鑑で2,138件の危険度ランクを調べることで、個別の物質について客観的なデータに基づいた確認ができます。表示の言葉とデータの両方を照らし合わせることが、食品選びの精度を高める助けになります。

まとめ

  • 「無添加」表示は法律上の統一定義がなく、何が無添加かを具体的に確認する必要がある
  • マルトオリゴ糖は水飴・澱粉糖・菓子類に使われる糖質で、でんぷんの酵素分解過程で生じる
  • 添加物図鑑のデータでは、マルトオリゴ糖と関連酵素5種のリスクスコアはいずれも2〜3の低い範囲に収まっている
  • α-アミラーゼ・β-アミラーゼ・イソアミラーゼは「加工助剤」としての性質を持ち、最終製品の味や見た目を直接の目的としない
  • リスクスコアの低さと「無添加」表示の是非は別の論点であり、両方を切り分けて理解することが重要

データの出典と更新情報

  • 本記事の独自データは HONMONO シリーズが運営するデータベースから取得しています。
- 添加物図鑑: https://tenka.honmonojp.com (データ取得日 2026-08-22)
  • 執筆・編集: HONMONO編集部(記事は公開前に人間が確認しています)
  • 最終更新日: 2026-08-22

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