編集メモ: 「紅麹」と聞いて不安になった読者へ。添加物図鑑が2,138件から抽出した6件のリスクスコアを比較し、サプリメント・加工食品選びで着色料と機能性オリゴ糖の危険度がどれほど違うのかを一次データで示します。
サプリメントに使われる添加物160件 紅麹色素を筆頭にリスクスコアを並べる
サプリメントや加工食品のパッケージ裏を見ても、添加物名だけでは危険度の高低は判断できません。本記事では、HONMONOシリーズが独自運営する添加物図鑑に収録された2,138件のうち、サプリメント・加工食品で使われる代表的な6件のリスクスコアを比較し、紅麹色素が突出して高い理由と、プレバイオティクス系オリゴ糖がなぜ低リスクに位置づけられているのかを解説します。
サプリメントの添加物表示だけでは危険度が分からない理由
サプリメントのパッケージには「着色料」「甘味料」といった用途分類と成分名が記載されていますが、それぞれの成分がどの程度のリスクを持つのかは表示されません。同じ「着色料」というカテゴリでも、天然由来かどうか、海外での規制状況がどうかによってリスクの幅は大きく異なります。
- 用途分類(着色料・甘味料・保存料など)は表示されるが、危険度のランクは表示されない
- 「天然由来」という表現だけでは安全性の裏付けにならない場合がある
- 海外で規制強化された成分でも、国内表示では規制の有無が分かりにくい
- 同じ「オリゴ糖」でも由来原料によってリスク評価が異なることがある
つまり表示ラベルだけを頼りに成分を選ぶと、リスクの高い成分と低い成分を同列に扱ってしまう可能性があります。次のセクションでは、この課題に対して添加物図鑑がどのような指標でリスクを数値化しているのかを紹介します。
独自データ:添加物図鑑のリスクスコアとは何か
添加物図鑑は、ADI(一日摂取許容量)・国内外の使用基準・海外規制の動向を踏まえて、収録した添加物ごとに独自のリスクスコアを算出しています。今回はサプリメントや加工食品でよく使われる成分のうち、代表的な6件のスコアを一次データとして公開します。
| 添加物名 | 用途分類 | 危険度 | リスクスコア(0〜30) | 主な使用食品 |
|---|---|---|---|---|
| 紅麹色素 | 天然着色料 | 高 | 22 | 漬物・菓子類・ハム・ソーセージ |
| フラクトオリゴ糖 | プレバイオティクス・オリゴ糖 | 低 | 3 | 玉ねぎ・ごぼう・バナナ |
| 大豆オリゴ糖 | プレバイオティクス・オリゴ糖 | 低 | 3 | 大豆食品・味噌・機能性飲料 |
| キシロオリゴ糖 | プレバイオティクス・オリゴ糖 | 低 | 3 | 醤油・竹の子・機能性飲料 |
| ゲンチオオリゴ糖 | オリゴ糖・糖質 | 低 | 2 | 一部機能性食品・サプリメント |
| アセロラ色素 | 天然色素 | 低 | 2 | 飲料・菓子・ゼリー |
この表を見ると、紅麹色素のスコアが22と、他の5件(2〜3)と比べて突出して高いことが分かります。紅麹色素は「天然着色料」という分類上は他の天然色素と同じカテゴリに属しますが、危険度は「高」判定であり、実質的にリスクの水準がまったく異なる成分だと言えます。一方でプレバイオティクス系のオリゴ糖5件は、原料や用途がそれぞれ異なるにもかかわらず、いずれもスコア2〜3の低リスク帯にまとまっており、この分類自体が比較的安定した安全性評価を受けやすい傾向がうかがえます。添加物図鑑で2,138件の危険度ランクを調べることで、この6件以外の成分についても同様のスコアを確認できます。
紅麹色素がなぜ高リスクと評価されているのか
紅麹色素は米にベニコウジカビを発酵させて作る天然着色料で、漬物・菓子類・ハム・ソーセージなど幅広い加工食品に使われてきました。添加物図鑑のリスクスコアでは22という高い数値がついており、危険度判定も「高」です。
- EU(欧州連合)ではシトリニン基準を超過した製品を規制対象としている
- 一部アジア諸国でも使用が制限される方向で規制が強化されている
- 「天然由来だから安全」という単純な図式が必ずしも成り立たない代表例になっている
- 発酵過程で生成される副産物の管理体制が国・地域によって異なる
このように紅麹色素は、天然由来であっても海外規制の対象になり得るという点で、消費者が注意すべき成分の代表例といえます。サプリメントを選ぶ際に「天然着色料」という表示だけで安心せず、成分名まで確認する習慣が重要になってきます。
プレバイオティクス系オリゴ糖がまとめて低リスクである理由
フラクトオリゴ糖・大豆オリゴ糖・キシロオリゴ糖はいずれもリスクスコア3、ゲンチオオリゴ糖はスコア2と、紅麹色素とは対照的に低リスク帯に位置しています。これらは玉ねぎやごぼう、大豆食品、醤油といった身近な食品に自然に含まれる成分から作られており、プレバイオティクスとして腸内環境への働きが研究されている成分群です。
- いずれも用途分類が「プレバイオティクス・オリゴ糖」または近接するカテゴリに属する
- スコアが軒並み2〜3点台で、危険度判定も「低」で揃っている
- 機能性飲料やサプリメントに広く使われているが、リスク面では横並びの評価
- 原料が野菜・大豆・醤油など日常的な食品に由来する点が共通している
腸内環境に対する働きについては研究が進められている段階であり、「腸内環境が改善する」といった断定的な表現は避け、あくまで研究の可能性が示唆されている段階として捉える必要があります。詳細な作用機序については、消費者庁の食品表示基準における栄養成分表示制度なども参考になります。
サプリメント選びで着色料と甘味料をどう見分けるか
今回取り上げた6件のデータからは、「着色料」と「オリゴ糖系甘味料・機能性成分」とでリスクの分布が大きく異なる傾向が見て取れます。着色料は天然由来であっても発酵副産物や添加量によってリスクが上振れするケースがある一方、オリゴ糖系の成分は原料の由来にかかわらず比較的安定して低リスクに評価される傾向があります。
- 着色料表示を見たら、天然・合成にかかわらず成分名まで確認する
- オリゴ糖系の表示は比較的リスクが低い傾向があるが、個別確認は必要
- 用途分類が同じでも成分ごとにスコアが大きく異なる場合がある
- サプリメントは複数成分が同時に含まれるため、個々の成分を積み上げて確認する習慣が有効
この傾向はあくまで今回取り上げた6件に限った比較であり、添加物図鑑に収録されている2,138件全体を見渡すと、同じ用途分類の中でもさらに幅広いスコア分布が存在します。個別の商品を評価する際は、パッケージの成分表示と添加物図鑑のスコアを照らし合わせる作業が欠かせません。
海外規制の動向とサプリメント表示の今後
紅麹色素の事例が示すように、国内で使用が認められている添加物であっても、海外では規制が強化されている場合があります。EUではシトリニン基準を超過した紅麹色素製品が規制対象となっており、一部アジア諸国でも同様の動きが見られます。こうした海外動向は、国内の使用基準が将来的に見直される際の先行指標として注目されています。
- 海外で先に規制が強化された成分は、国内でも基準見直しの議論対象になりやすい
- 消費者側も「海外では規制対象」という情報を選択の判断材料にできる
- サプリメントは長期的・継続的に摂取する製品であるため、リスクの積み重ねを意識する必要がある
- 規制動向は今後変化する可能性があるため、購入前に最新の公的情報を確認することが望ましい
規制の枠組みは国・地域ごとの食品安全行政の判断に基づくものであり、今後も見直しが続く分野です。消費者庁や厚生労働省が公表する添加物関連の告示・通知を定期的に確認することが、長期的な自己防衛につながります。
まとめ
- 添加物図鑑の独自データでは、紅麹色素のリスクスコアが22と、比較対象の5件(いずれもスコア2〜3)の中で突出して高い
- 紅麹色素はEUのシトリニン基準超過品規制や一部アジア諸国での使用制限強化の対象になっている
- フラクトオリゴ糖・大豆オリゴ糖・キシロオリゴ糖・ゲンチオオリゴ糖・アセロラ色素はいずれも低リスク帯にまとまっている
- 「天然由来」という表示だけでは安全性の高さを保証しないため、成分名レベルでの確認が重要
- サプリメントは複数成分を同時に摂取する製品であるため、個々の添加物のスコアを積み上げて確認する習慣が有効
データの出典と更新情報
- 本記事の独自データは HONMONO シリーズが運営するデータベースから取得しています。
- 添加物図鑑(https://tenka.honmonojp.com): 紅麹色素・フラクトオリゴ糖・大豆オリゴ糖・キシロオリゴ糖・ゲンチオオリゴ糖・アセロラ色素の用途分類・危険度・リスクスコア・主な使用食品(データ取得日 2026-08-24)
- リスクスコアは添加物図鑑がADI・使用基準・海外規制状況から算出した独自指標であり、紅麹色素はEU(シトリニン基準超過品を規制)・一部アジア諸国で規制強化の対象となっている
- 執筆・編集: HONMONO編集部(記事は公開前に人間が確認しています)
- 最終更新日: 2026-08-24