編集メモ: ソースの原材料表示を見て「増粘剤」「着色料」とだけ書かれていても、実際に何が使われているかは分かりません。この記事では添加物図鑑が算出したリスクスコアの実データをもとに、ソース類に使われる添加物17件のうち代表的な6件を数値で比較します。
ソースに使われる添加物17件 リン酸デンプン(リン酸モノエステル化デンプン)を筆頭にリスクスコアを並べる
ウスターソースや中濃ソース、ドレッシングの裏面表示には「加工でんぷん」「増粘剤」「着色料」といった一括表示が並び、具体的に何の物質が使われているのか読み取りにくいのが実情です。本記事では、HONMONOシリーズが運営する添加物図鑑に収録された2,138件のデータのうち、ソース類に関わる6件を取り上げ、それぞれの用途とリスクスコアを実際の数値で比較します。漠然とした不安ではなく、根拠のある数字をもとにソース選びを考えるための材料として役立ててください。
ソースの原材料表示から添加物を読み解く難しさ
ソース類の原材料表示は、個別の添加物名ではなく「増粘剤(加工でんぷん)」のように用途名でまとめて表示されることが多く、消費者が個々の物質を特定するのは容易ではありません。同じ「増粘剤」という表示でも、実際にはでんぷん由来のものから天然ガム由来のものまで、性質の異なる複数の物質が使われている可能性があります。
- 一括表示のルールにより、複数の添加物が「増粘剤」「乳化剤」などの用途名だけでまとめられる
- 同じ用途名でも由来や化学的性質が異なる物質が使われている場合がある
- パッケージの表示だけでは、それぞれの添加物の安全性評価や規制状況までは分からない
- 消費者が個別に調べようとしても、一般的な検索では断片的な情報しか得られにくい
こうした背景があるため、用途分類だけでなく個々の添加物名とその評価を一覧できるデータベースが役立ちます。次のセクションでは、添加物図鑑が独自に算出しているリスクスコアという指標と、ソースに関連する6件の実データを紹介します。
独自データ:添加物図鑑が算出したソース関連添加物6件のリスクスコア
添加物図鑑は、ADI(一日摂取許容量)や国内外の使用基準、海外の規制状況などをもとに、収録した2,138件の添加物それぞれに0〜10のリスクスコアを独自に算出しています。今回はこの中から、ソース・ドレッシング・たれ類に使われる代表的な6件を抜き出しました。数値・食品名・添加物名は添加物図鑑のデータをそのまま掲載しています。
| 添加物名 | 用途分類 | 危険度 | リスクスコア(0〜30) | 主な使用食品 |
|---|---|---|---|---|
| リン酸デンプン(リン酸モノエステル化デンプン) | 加工でんぷん | 低 | 5 | インスタント食品・缶詰・ソース |
| トラガントガム | 増粘剤・安定剤・乳化剤 | 低 | 3 | ドレッシング・ソース・製菓用フォンダン |
| グアーガム | 増粘剤・安定剤 | 低 | 3 | アイスクリーム・パン・スープ |
| 炭(植物炭末) | 着色料 | 低 | 2 | 黒い食品(菓子・パン)・アイスクリーム・ソース |
| タマリンドシードガム(タマリンドガム) | 増粘安定剤 | 低 | 2 | 麺類・ソース・アイスクリーム |
| タマリンドシードポリサッカライド | 増粘安定剤 | 低 | 2 | 麺類・たれ・ソース |
この表から分かるのは、ソース類に使われる添加物のリスクスコアは全体としては低めの範囲にまとまっているものの、その中でもリン酸デンプンが他の5件よりスコアが高く、危険度の「低」判定の中でも相対的に注意を要する位置にあるという点です。トラガントガムとグアーガムはともにスコア3で並んでおり、増粘剤・安定剤という用途は共通していても、由来や化学構造は異なる物質です。炭(植物炭末)とタマリンド系の2件はスコア2と最も低い水準にありますが、後述するように炭は海外での規制状況に注意が必要な添加物でもあります。数値の詳細や他の添加物との比較は添加物図鑑で2,138件の危険度ランクを調べるから確認できます。
リン酸デンプン(リン酸モノエステル化デンプン)がスコア筆頭となる理由
上の表で最もリスクスコアが高いのがリン酸デンプン(リン酸モノエステル化デンプン)で、スコアは5です。これはでんぷんにリン酸基を結合させて加工した「加工でんぷん」に分類される添加物で、粘度や保水性を高める目的でインスタント食品や缶詰、ソース類に広く使われています。
- 分類は「加工でんぷん」で、天然のでんぷんに化学的な処理を加えたもの
- 危険度自体は「低」だが、6件の中ではリスクスコアが最も高い
- インスタント食品・缶詰・ソースなど、加工度の高い食品に使われやすい
- 増粘・保水といった食感の安定化を目的として添加される
危険度が「低」に分類されている以上、直ちに健康への悪影響が生じる添加物ではありませんが、6件の中で相対的にスコアが高い理由は用途の広さや使用基準の設定状況が関係していると考えられます。個別の使用基準やADIの詳細な数値については、消費者庁の食品表示に関する情報などもあわせて参照すると理解が深まります(消費者庁 食品添加物表示制度の概要)。